**プロロ〜グprologue**

「一体ナニが不満だったの?」

そう問われれば言葉に詰まる。

安定した企業・慣れた仕事、
恵まれた人間関係・楽しい飲み仲間・・・
贅沢な毎日だった。

だけど私にはいつでも
ぬぐいきれない「物足りなさ」がつきまとっていて、
それをなんとか「誰かのせいに押しつけたくて」イライラしてた。

やるせない怒りの矛先は
先輩だったり上司だったり、
「慣習」だったりしたけれど

・・本当のところその怒りとは、

「なにかが違う」とモーレツに感じつつ
「なにもチャレンジしていない」自分ヘの怒りに他ならなかった。


世界周遊一人旅。
それでナニが手に入るのか、
それが一体、何の役に立つというのか?



そんなことはどうでもよかった。


やろうと思ったことをやりとげてみたかった。
自分はいつでも自由であることを実感したかった。


 役に立つことしかしない、
 得になることしかやらない。


 最短距離、最小限の労力で最高の見栄えになるようアタマを使え・・・。
 前例にならえ。わきまえろ。
 深く考えなくってイイんだよ。カタチだけでイイんだからさ。
 まぁまぁ、そうムキにならずに・・・。 立場ってもんもあるんだからさ・・

そうやって走りつづける会社という組織を軽蔑しながら、批判しながら、
恩恵だけを享受している私

それにつきまとう敗北感・無力感・被害者意識

いつのまにか、うっぷんのはけ口を探して
誰かの悪口で笑うことが多くなってる自分


そうやって自分がやっていることさえ批判しながら、軽蔑しながら、
それでもそれなりに贅沢なごほうびにありつける環境にいるうちに


いつの日か
その贅沢な毎日を捨てるのが怖くなる日が来るのかもしれない。

なにもかも諦めたフリをしつづけるうちに
なにも感じなくなる日が来るのかもしれない。



・・・そんな自分がこわかった




  ******
  ようやくその暮らしに「慣れたころ」いつも、終わりが来る。
  まるで卒業するみたいだと思った。(コラムより抜粋)
  *****
飛行機から見る空が大好き
旅の写真集へ